ついに買ってしまった。。

以前より手に入れたい道具、それも金属加工をきっちりと行うには絶対必要な道具、を悩みながらもとうとう買ってしまった。



それは大きく、重たい物だった。梱包寸法64cm x 48cm、約9Kg弱もある。


中身はこんな状態。これが何であるか判るかな? これで判る人はきっと同じ物を買った、大英断をした人であろう。もう少し判るようにすると、


これが全内容。こんなバラバラなKIT状態の物を、きっちりと型抜きした段ボールにセットされていた。
これはベンダーという物で、金属板を折り曲げる道具である。手動式ながらも素人が金属加工する範囲の0.5〜2mm厚ほどの板なら曲げることが出来る。
この手の道具はなかなか販売されていなかった。まぁ〜需要層も鉄道模型などを趣味にしている人なのだろうからニッチ・マーケットではある。調べた範囲ではこの他には、シャーリング機能なども兼ね備えた東洋系某国製の物があった。それは手動式で重量40Kgオーバーとかなり大掛かりな物であり、今回ワタクシが購入したこれよりも価格は安かった。さらにはほぼ同価格帯で、手動油圧式のベンダーもあった。これは国産のようで、ベンダーとして本格的なヤゲン(金型のダイとパンチ)をセットし、加工可能な板厚も5〜6mmぐらいまで可能な物だった。
そんな購入候補の中で、これを選んだ理由は、
     ●国産で精度が良さそうである
     ●手動で微妙な調整が可能である
     ●メカニカルで美しい

といった点であるが、最後の『美しい』とはワタクシの主観であるが、実はそこに大きな期待があった。

美しい=丁寧に設計、製作された物=精度が良い=多少金額は高い

と連想される。これはAppleのMacにも共通するのだが、結果的に美しいと感じるモノは、それが実現・製作されるまでの過程で、十分に考えられ練上げられたモノである証拠であると思っている。単純には機能美となるモノもあるし、いわゆるデザインのためのデザインではない、無駄が無く研ぎすまされ姿に達したモノが持つ美である。
そして十分考慮された設計が原点にある故に、その投入コストも大きい。それが数少ない需要層向けであれば、単価は当然高くなる。
実際、今回購入した『
Bender Black 30』は『株式会社 オリジナルマインド』製で、その金額はiPhone3Gを一括払いで購入できる範囲である。そう、これを買ってしまったから、iPhone 3Gの購入は更に先送りとなるワケだ。。
しかも販売形態はKIT売り。これは組立費を削減して販売価格を下げる意図もあるのだろうが、この手の物を購入する人は、ほぼボルトオンの組立であるから自分で出来るだろうし、何よりも組立てることの喜びも提供する、ってことでもあろう。これを買う人は『作る』ことが好きなんである。需要と供給が噛み合った販売形態である。
さらには、インターネットでの通販でもある。しかもしかもKITに組立説明書は添付されておらず、WebサイトにアクセスしてPDFファイルをダウンロードすることになる。


紙焼き(プリント)にして70ページ強のボリュームである。これも費用削減の一環か? しかしユーザー登録しないとダウンロードできないのは、ちょっと手間ではある。
しかし、このマニュアルも丁寧に記述されていて、間違えることは有り得ないほどのデキである。梱包の徹底さやこのマニュアルの内容からも、この製品を十二分に用意されて発売・提供している企業姿勢は見事である。さすが日本製という見本でもある。

さて、その組立であるが、必要な物は全て同梱されている。グリースも入っていた。


ボルト、ナット類は名称を付けて小袋毎に区別されており、丁寧なマニュアルに記載されているボルト・ナット類のサイズ選別を容易にしている。
まさにマニュアル通りの順番で、ボルトオンで組立は順調に進む。




組立に必要な工具は、六角穴付きボルト用の六角レンチ、呼び10のスパナ、+ドライバー、他 モンキーレンチぐらいである。まさにボルトオン。


そして順調に組立てる喜びを感じながら完成である。この左右のレバーを押し下げて、パンチとダイの間に置いた板を曲げるのである。


この黒色塗装と金属色のコントラストも絶妙である。メカニカルだし雰囲気プンプンである。。

でも悲しいのは、作業する場所がMacの前であること。。片や電子機器があるその前で、大きく重たい物を取り回しているのは危なっかしい。このエリアしか作業スペースが無いことが悲しい。。

で、さっそく試し打ちである


挟まれた板は徐々に曲がっていくのだが、どのくらいの角度になったか? が良く判らない。従ってこんなモノも買ってきた。


傾斜計である。これを参考に、後は感覚のみで勝負である。うまく調整すれば、ある板厚での90°曲げポイントを固定することも出来そうである。


ダイとパンチの幅はいろいろと揃っているので、曲げたい幅に合わせてチョイス出来るし、全部をセットすれば最大幅300mmまで可能である。でもそれは曲げる板厚、材質によって限界がある。その限界表やダイの取付組み合せなどもメーカーのサイトに掲載されている。


板厚2mmのアルミ材を曲げたサンプルである。
手加減でこのように鈍角や鋭角にも曲げることが出来る。ダイの幅やパンチの先端形状を工夫すればR付の曲げも可能だろう。

自動車の3大要素・性能は、『走る』、『曲がる』、『止まる』である。それに準えて金属加工では、

     『切る』 =切断・切削
     『曲げる』=折る・曲げる・ひねる
     『付ける』=溶接・結合・接着

の3要素があると思う。
この内の『曲げる』を今までは材料を万力に挟んで、当て板越しに叩いて曲げていたのだが、うまく(きっちりと)曲げることは出来なかった。ようやくこの道具で、この『曲げる』ことがうまく実現できることになった。高い買い物でありiPhone 3Gも遠ざかってしまった感があるが、満足ではある。

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