その時がやってきた

4月24日に発売開始のWatch。10日の16時ちょっと過ぎに予約を入れたのに24日を過ぎても手元に届かない。発売当日から遅れること4日の28日にようやく手元に届いた。これでやっと『その時がやってきた』である。

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予約を入れたというか、予約が出来て完了したのは16時13分であった。16:01から予約受付開始とアナウンスされていたから、当然それ以前にスタンバイしていたのだけど、肝心なアップルストアのサイトはエラー状態で受付ていない。でも定刻になれば解消されるのだろう、と思っていたが定刻の16:01を過ぎてもまだダメである。さてはアクセス集中か? と考え、サイトへのアクセスを繰り返し試みる。数打てば当たる式の対応である。が、いずれも効果無し。でもその内受付るようになり、予てからお気に入りに登録していた機種をカートに移して購入手続きが終わったのが16:13。
サイトが塞がっていた時間を差し引けば早い方の発注と思って、24日には届くとフンでいたが、そうは問屋が卸さなかった。
23日も発注状況のステイタスは『処理中』で、24日も過ぎさらに2日間も『処理中』のステイタス。ようやく『出荷準備』に切り替わり出荷メールが着信して28日の夕方に宅配が到着であった。

150430_Case

発注したのは、42mmステンレス・ケース、ブラック・スポーツバンド仕様である。着用するシチュエーションとして会社に行く日でも着用したいから、そう目立つスタイルでは?? と控えたことと、他の金属バンドは高額だし、マグネットによる固定は避けたかったから、必然的に黒のスポーツバンドである。特にマグネットはクレジットカード等への影響から有り得ない選択だった。Appleはそんな心配はお構いなしに色々な製品にマグネットを多用しているが、今では一般的になったICチップ付きのクレジットカード(バンクカード含め)でも磁気帯の併用が多いから、磁気の影響には注意であろう。

150430_Body

質感は十分である。ビジネスマン向けの礼儀作法では時計の質感にもウルサイようであるが、これで十分である。むしろギンギラと盤面が光り輝く高級時計より、自己主張の部分が無い黒色の表面が控えめで、その周りに光る金属質が安物感を無くしている。
ただ、せっかくバンドが容易に交換できる工夫もあるので、よりカジュアル・ユースの時にバンドを取り替えようとホワイトのスポーツバンドを別注した。6千円弱だが数万円の金属バンドが買えない分のちょっとした抵抗でもある。

で、さっそくの着用、使用感である。いままで時計は数種類を常時 (少なくとも就業のウィークデイは) 腕に着けていたし、最近はそれこそ寝ている時、風呂に入る時以外はNIKE FuelBandをしていたからWatchを着用して違和感は全然無い。ましてやその重さが気になる程のキャシャな体でもない。すこぶる腕にジャスト・フィットである。

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当初からスポーツバンドを選択したので、バンド長さが短い物も付属していた。こちらの方が長さギリギリで、余った分をバンドの内側に挿入する際、少なくて済むので、これに替えた。

想像していた範囲ではあるが、一番の有効な機能は通知のTaptic Engineの手首への打振である。これまでの携帯電話等のバイブレーションとは全く違った『打たれる』感じである。さっそく使用1日目となる日がたまたま法事があり、その席の最中に手首に打振があった。ズボンのポケットにiPhoneを入れていたが、そこからの振動は感じなかった。ちょっと手首をひねり盤面を顔に向けると、通知の内容が判る。たぶんその間、周りの人は気付かないか、時計を見た、くらいにしか思わなかったろう。時間を気にしている、と思われたかも知れないが、まさかどんなメールが来たのか情報を得た、とは思わないだろう。
そしてもうひとつは、前述したが、盤面を顔に向ける動作でモニターが起動すること、これがすごく有効であるし、どうやって顔に向かっていると判断しているのか巧妙な仕掛けに驚く。たぶん6軸くらいの加速度センサーのデータで算出しているのでは? と想像できるけど、反応速度も早いから自然な作動になっている。NIKEのFuelBand も時刻を表示できるのだが、それを見るにはボタンをダブルクリックするかモードをそのボタンで順繰りする必要がある。そういう積極的なアクションをせずともモニターが起動し時計の盤面(そのように盤面が表示画面にしておく必要はある) が出ることが、時計としての存在感を主張出来ている。

さてさて、この長い『待ち時間』の間、いろいろWatch関連の情報を得ていた中で、ちょっと誤解が生じるかもしれない、という危惧があった。それはケースに使われている材質や風防のサファイアガラスの丈夫さについてである。一般的に『丈夫である』という言葉の代わりに『強い』とか『強度』とか言われる場合もあるが、特に『強度』という言葉は工学的には『部材に力が加わって変形するまでに耐える、或いは破断してしまうまでの力の程度』を指す用語と周知されている。材料力学的な内容を生業としている関係上、ちょっとウルサイことを言うようだが、物の『強さ』を表現するには様々な切り口から検証しないとならない。例えば『硬いから丈夫である』とはある程度の力まではそうだけど、それ以上の力が加わると一気に破壊に至るので『脆い(もろい)』材質とも言える場合がある。

まぁ〜いろいろとカタイことを言っても混乱するだけかもしれないので、豆知識的に丸めて表現すると、次のようになる。
ステンレスの強度は
Watchの使用環境(腕に着けて使うという環境)では十二分に強い強度を持っている(変形することは無い)。けど表面硬度は特別高いということではない
すなわち、このケース全体が変形するほどの大きな力は遭遇しないだろうけど、表面処理を特別に追加していないようだから、キズは発生する可能性は高い、ということ。Appleの説明では(クラフトマンシップのビデオでの解説)『特殊な冷間鍛造プロセスにより、硬度が最大80%高くなります』と言っているけど、たぶんどんな時計メーカーでもケースは鍛造で成形しているだろうし、Apple以上にケース内部の成形にも鍛造工程を使っているハズだ。Appleのように内部構造を全て切削で形成しているのは珍しい方だと思う。その切削加工性のために更なる部材の強度向上・硬度向上はしないハズだ。(ちなみにiPadやPowerBookの削り出しも製法としては異例)
しかも時計メーカーではそのケース表面の硬度向上のための表面処理をしている。その方法はパテントを取得したりするノウハウでもある。

もうひとつ、アルミ材を使ったWatch Sport の方は、使用しているアルミ材は所謂『超超ジュラルミン』と言われる7000系のアルミ合金である。一般的にステンレス鋼を含め合金は需要家(この場合はApple) の要望により各種添加物の種類や配合は特注になる。であるから正確な強度は判らないが、JIS規格で言えばこのアルミ合金はA7075相当であると思われる。とすれば、材料力学的な強度という面では、ステンレスと同様に、このアルミで作られたケースは腕に着ける物として十分な強度を持つ。また表面硬度については、『ジルコニアビーズの吹き付け』や『陽極酸化処理(アルマイト)』でもともとの素材よりは硬度が向上していると言える。けどステンレスと比較してどうなのか? はメーカーが公表しない限り不明である。でも少なくともキズがつきにくくする処置はしている、ということ。

また、風防が割れてしまった、という情報もチラホラ聞こえてきたり、落として割る実証も上がっているが、例えばサファイアガラスだから『丈夫だ』ということは無い。Appleが言っているのは、サファイアガラスは耐磨耗性(硬度)が高い、と言っているに近い。極端な話し、地球上での最高硬度を誇るダイヤモンドでさえ、ハンマーで殴れば割れるのである。すなわちキズがつきにくい材質を使っているということに過ぎない。落とせば風防が割れる可能性は高い、と思っていた方が良い。

などなど、持てる知識のあるったけを披露してしまったようで、若干言い過ぎた感もあり恥ずかしいが、所詮はどうかすると壊れるのがモノの常である。乱暴に扱えばそれなりに朽ちるし、丁寧に扱えば長く保つのである。物にぶつけ易い腕に着けるデバイス(時計であると言っても良い)であるから、これからは乱暴な動きはせず、大人しく優雅に振る舞うとしよう。でもそれなりに運動もせねば。。

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