ダブルナット

メガネ(遠近両用)がフチなし型なので、ネジ部が弛み易く微妙にかけ具合が変だったり、ピントがズレたりする。その都度ラジオ・ペンチなどでネジを締め込むのだが、いよいよ専用工具を手に入れた。

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フチなしメガネのネジは大体がM1.4サイズのネジで、使われているナットの二面幅(対辺寸法)は2.2mmのようである。ただし必ずしも六角ナットであるワケでも無さそうで、さらには最近のフチなし型ではネジを使用していないタイプもあるとのこと。

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ネジ止め構造の場合、ネジで締めている所が一つであるとそこを中心に止めてある部材が回転してしまう。だから回転して大きな変位とならないよう金具形状として回り止めの『ツバ』が出ているのが一般的。ただこれもレンズとキチキチの合いであると逆に顔に合わせた微調整ができないことから、ここに少しのスキ間を必要としている。
それでネジが緩むと、このスキ間分変形し始めるワケだ。

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そこでネジが緩まないようネジ部は『ダブルナット』の構造にしてある。しかしそれでも緩んでしまうのは、小さなネジだから振動の影響より温度差なども大きな要素にあるのかもしれない。またナットが直接レンズ面に触れないよう軟材のブッシュもかませてあることから、この材質の温度変化差もあるのだろう。
製造側としてはネジ弛み対策としてネジに弛み止め剤を施工したモノを使用しているようである。しかしこれも時間が経てば効果は薄れてくる。
従って、弛み止めの対策は最終段階ではその都度増締めしか無いということだ。ただメガネ・ショップの立場としては、素人がこの部分を弄ることは破損防止の観点からやめてほしい事なのだろう。緩んだら無償で調整しますから、、と言いつつ弛み止め剤が効いていないから、また弛みますよ、ネジを新品に交換した方がいいですね〜、、では○○百円になります。。という図式が容易に想像できる。それは正論かもしれないが、ワザワザショップまで足を運んで、小額とは言えお金も取られ、またいつかは同じ事になる、とは自分的には、エコでないとの思いが強い。
で、当然自己責任であるが自分でネジ部を締め込もうとするのである。

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ネットで調べてすぐに工具は見つかった。『精密ナットドライバー』という名称で、六角、トルクス両用のようで、これ一つで大体のフチなしメガネに対応可能とある。それを2本購入である。それはホルト・ナット締めの常識、ひとつでボルトが回らないよう固定し、もうひとつでナットを回す。これ一つじゃ〜役に立たないのだ。

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ちょっと見では判らないが、虫眼鏡などで見ると既にネジ部はキズだらけであった。緩んだ時にラジオペンチなどでナットを掴んで回していたからである。合っていない工具を使うと副作用も起こり、何よりも期待する効果が得られない。これからは専用工具でキッチリと締め込んでいこう。

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まずはダブルナットのトップナットを外す。間違ってもこのトップナットだけを増し締めしただけではダメなのだ。

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そして専用工具で残っているナットを締め込む。この時のトルク感が大切だ。締め込み過ぎるとブッシュのダメージ、最悪レンズに不具合が出る。この締め込みでメガネ全体のジオメトリーがフィックスされる状態だ。

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そしてトップナットを締め込む。この時に反対側にも専用工具を当てて、空回りを防ぐ。実はこれはダブルナットがけの基本通りでは無い。単にナットを二段にかけただけで、本来のダブルナットの効果を起こしていない状態だ。

ここでダブルナットの効果とその正規の方法と言われる手法を説明してみる。よくよく調べるとこれが絶対的な理論とまではなっていないようであるが、昔からこうだ、と言われて来た方法である。

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まず一段目のナット(図の黄色い部分)を締め込む。ネジ部を拡大してみるとナットのネジ上面と、ボルトのネジ下面が擦れて当たることでボルトを軸方向(この図の場合では上方向)に引っ張ることで固定される。ナットのネジ下面側はスキ間がある状態だ。ネジ部はみんなこのようなスキ間がある。このスキ間が無いとナットは手で回して脱着は出来ないほどキツキツで、使い勝手が悪くなってしまう。

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ダブルナットにして効いている状態とは、この図のようになっていることだ。上のナット(赤色)は前図のナットと同じようにボルトを軸方向に引張り、下の黄色いナットは、上のナットを締め上げているように効かせている。
こうするには、最初に黄色いナットを普通に締め上げて行き、固定したところで上のナットを挿入し、下のナットと合わさったところで、こんどは下のナットを緩む方向に回す。この時上のナットが動かないようスパナで固定しておく。すなわちスパナ2本が必要で、最後の段階ではそのスパナ同士を向かい合わせる方向に回す、というやり方をする。2つのナットをケンカするようにセットするワケである。こうすることでネジ部というスベリの坂を1面の下り坂だけでなく、同時に上り坂も作ってスベリ落ちない工夫をしているとも言える。

従って、先のメガネのダブルナットの施工は、ナット同士をケンカさせていないので、単純に言えばナット厚さが2倍のナットをかけているだけである。すなわち、またいつかは緩む、ということである。下のナットを逆回転に回すには、それこそ極小のスパナが無くてはできない。そんなメガネ用の特殊スパナはあるんでしょうか?
その代わりにネジ止め剤の塗布という手がありますけど、適量をネジ部に垂らす術がありません、その自信がありません。きっと必要以上の量が乗り、締め上げるとレンズ面まで汚してしまう、という想像しか浮かんできません。
仕方ない、緩んだ時毎に増締めと行きましょう、その専用工具を手にしたのだから。。

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