金属を切る

工作やら修理をしていると、金属加工が必要になるケースが多々ある。基本的に『切る、曲げる、結合する』の3つが作業要素になるが、今回は『切る』を考察してみようと思う。

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金属を『切る』方法はいろいろとあるし、切り方によっても方法は分かれる。今回は『薄板の直線切り』を条件にしてみよう。趣味の範囲であるから、薄板とは素人扱いの範囲で1mm厚以下としよう。その薄板を約300mmほどの長さを直線に切る、とする。
自分に経験のある切り方のひとつに『糸ノコで切る』方法がある。金属用のノコ歯を使い、丁寧に直線をコントロールすれば出来ないことはない。が、300mmもの長さを切ろうとする場合、他の方法は無いのだろうか? と途中で挫折すること間違い無い。しかも直線でなく微妙に凸凹であろう。電動糸ノコの機械でもあれば話は違うが、その機械の使用頻度を考えると購入には至らない。。
ということで、日曜大工店に行った際、これを買ってみた。

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ハンド・ニブラ(nibbler)というツールだ。以前から少し興味もあったし、実際の使い勝手を確認してみたかった。本来的にはこれで直線切りするものではないと知ってはいたが、やってみたかったのである。

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先端の刃の部分はこうなっており、ここに金属板を差し込み、ハンドルを握ることでパンチング状態になり金属を切る。

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1mm厚のアルミ板であるが、無理に力を加えるでもなく切り進んでいく。ひと握りする度に2mmほど切り込んで行く。同時にその2mmほどの破片がたくさん出来て来る。

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しかし直線切りはキチンと意識しないと難しい。このツールは薄板に四角い穴を開ける用途のモノだ。糸ノコよりほんの少しは進行速度は速そうだが、やはり直線切りには向いていない。なによりも切り込んで出来る切込み幅が材料のムダ使いに思えてくる。

で、次に考えたのは『板金ばさみ』。板金職人が使う本物の板金ばさみは素人にはハードルが高い。でも最近は素人でも扱えそうなモノも出てきている。

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そんな中からこれを選んだ。三菱マテリアルが販売している『テスキーU型』である。このテスキー・シリーズは数種類のモノがあるが、これは倍力構造をもったモノである。三菱マテリアルとは三菱系の(金属)材料メーカーだとの認識であったが、こんなツールも販売している。でもそれは販売元としてであり、実際の製造元は(株)エヌシキとある。

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でも販売元の方が強いんでしょうか、ブランド的に『MITSUBISHI MATERIALS』と刻印されています。切断許容板厚は、鉄=1.0mm、ステンレス=0.8mm、銅=0.8mm、アルミ=1.0mm とある。
また特徴として、切った板のそり上がりが無いというフレコミである。

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商品梱包にあった説明図より

これは板金ばさみでありがちな切った部材の変形が少ないと言うこと? そうであれば素人使いにはアリガタイこと。
で、さっそく実際に切ってみた。1mm厚のアルミ板である。

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右利きの場合、左手の方の部材はそり上がらずに平らを保つ。変に変形しないのが良い。

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が、反対側はこんな具合に下方向に丸まって行く。考えるに、そり上がる、上がらない、はハサミの刃の構成によると思われる。このテスキーの場合は、通常のハサミとは上下の刃が反対方向に組み上がっている、だけと見える。従って切られた片の幅が狭いと丸まっていくのであろう。幅が広いというか大きな面であれば、面剛性があるから丸まらない。その違いだけと思われる。でもそれは文句ではない。そうすることで安全を配慮した点はおおいに評価できるのである。
さて、実際にこのハサミを使う場面は、例の鍵を交換した玄関扉のヒンジ用のシムを作るときである。

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そのシム作りのために、0.5mm厚の銅板を手に入れた。これをキレイに切ろうというのである。

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まぁまぁ良く切れたほうだと思う。角部に変形が見られるが、少し叩くだけでOKである。

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でも幅が狭いモノはご覧の通り丸まってしまう。

プロが切ればもっとキレイに切ることが出来ると思う。また、専用の機械(シャーリング)を使えばもっとキレイに一直線に切れると思う。さらには素人用でも専用のカッターナイフで切り溝をつけていき折り曲げてカットする方法もある。それは次回にやってみよう。とりあえず今回は素人向け板金バサミがそこそこ使えることを実感した。これはこれでいつか役に立つであろう。道具は適材適所で本領を発揮するものである。

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