HDDの分解

久々に起動させたPowerMac G4のHDDの様子がおかしかったので、取外して分解してみた。分解して直るというものでもないし、超精密機器のひとつであろうHDDの分解は素人には御法度。。ダメ元でやってみたかったし、その中身をこの目で確認したかった。。



PowerMac G4を起動させると、ガシッ・ガシッと明らかに機械的な異音がして、しばらくは起動しなかった。電源ボタン長押しで終了させ、再度起動を試みる、ことを数回行ったら、なんとか起動して立上がった。この時点でHDDが異常ではないか? と推測は立つのであるが、PowerMac G4には3つのHDDを搭載しているので、それぞれにインストールしてあるOSで、どれかで立上がるだろう、と踏んだワケ。。


PowerMac G4は2基までのHDDを搭載できる仕様であった。そこにもう1基搭載したのは、無理矢理であるがFDのドライブ・スペースに搭載したのである。


( 1 )番がデフォルトの搭載位置。( 2 )番が増設用のHDDベイ。そして( 3 )が純正ではFDドライブが搭載されていた場所。ご存知のようにFDは次第にその姿を消し出した時代である。使わぬフロッピーより高容量のHDDだ〜、、とばかりに粋がっていたのである。


正面のベゼルはそのままなのでHDDのお尻が見えたままだ。いつかこのベゼルを交換しようと思っていたのが、新しいMac製品の出現でG4も使い出さなくなり、そのままで尻つぼみ。。このFDDのスペースにHDDが入り、固定できる、コネクターも同じ、ことまでは物理的に見て判るが、果たして回路的に成り立つのか? はやってみた結果の結果オーライの産物である。
で、取出してみた( 1 )と( 2 )のHDD。ホコリまみれである。


この内、どれが具合が悪いのか? まだ空きスペースのある『TERABOX』に搭載して確認してみる。


こういう時に外付けのHDDケースがあると便利なものだ。おまけにこの『TERABOX』はパラレルでもシリアルでも混在可能なケースなので、まだ古いパラレルのHDDがある環境ではウッテツけである。
結果、( 1 )番のHDDをこれに搭載して接続すると、あのガシッ・ガシッ音がしてそのボリュームは画面に現れなかった。では同じように( 2 )番のHDDを搭載してみると、これは正常に現れる。PowerMac G4の中では、この2つのボリュームが現れなかったから、この ( 2 )番のHDDにも疑いがあったのだが、どうやらこれは大丈夫そう。。すかさずこの段階で必要と思われるデータのバックアップを取っておく。

その( 2 )番のHDDはPowerMac G4に戻し、再び使える状態にしておく。


収納されているデータそのものの自分的価値は高くは無いのだが、これにはMacOS 9 の最終バージョンが搭載されているからだ。このPowerMac G4の時代の中心的OSであった。後にMac OS Xもインストールしてあるが、時代毎の機種にその時代のOSも存在させておきたかった。


これで漢字Talk7、MacOS8、MacOS9、MacOS X と一連のOSが存続されることになる。

さて、その異常となったHDDであるが、そこにどんなデータが乗っているのか? 今では判らないが、これまでズ〜ッと見る事なく過ごしていたから、今となってはそうそう大切なデータがあるとも思えない。仮に見ることが出来たとしても、当時の思い出が甦ってくる程度であろう。それも無形の大切な思い出かもしれないが。。
よって、このHDDを分解してみよう。自慢ではないがHDDが壊れたのは、これが最初のモノである。今現在 十数個のHDDがあり、かつ20〜30年間の間で初めてのケースである。またとないチャンスでもある。その中身がどうなっているのか、見るまでもなくWebを彷徨えば判ることではあるが、元来 分解マニアなのかもしれない。その昔の小学生の頃、扇風機のリモコン( もちろんリモコンと言っても当時のモノはワイヤードである) を分解し、元に戻せなくて、何故かトイレの中で必死に組立てた記憶がある。月日を重ねて今では分解の要領も心得てきたものである。
HDDのフタを開けるにはトルクスのドライバーが必要である。そのツールを持っているのだが、今まで使う用途もなかった。ようやく使う時が来た。




表面に見えるビス頭の他に、シールで隠れた部分もある。意匠的に意図的にシールで隠すケースもあるようだが、これは単にシール貼りスペースの関係なのだろう。アップル・マークの付いたHDDであるから純正指定でも取ったHDDか。。


そしてオープンである。想像以上に盤面が鏡面仕上げであった。若干白いゴミが盤面にあるが、これは開封した際に吸着したのかもしれない。。


盤は1枚ではなく、このように複数あった。一枚に多層の記憶層を持つのが今流と思うが、こうして物理的に記憶容量を上げているのね〜。。にしてもヘッドと盤面(ディスク)とのスキ間は肉眼では判らないほどの寸法。ディスクが回転することで発生する空気層で浮いている、とは聞くがディスクの平面度、ヘッドの工作精度が高くなくては成立しない。まさに精密である。この空気層で浮く、ことは実は身に覚えがある。昔 グライダーに乗っていた頃、滑走路上2mくらいの高度のまま、ズ〜ッと滑空していく様を見た記憶だ。それはグランド・エフェクトと言われ、物体の速度によって生じる地上付近の空気層のためだった。それと同じ原理をここに見るのであった。。
さてさて、分解してアワよくば不具合を直そうと思っていた分解である。この状態で見た目の不都合は感じられない。しかしヘッドの位置がこの位置で良いんでしょうか? 正常値も知らないワタクシであるが、このヘッドを動かしてみようとしたが、テコでも動かない。。他の部分を痛めないよう力加減をしながらであったが、なんとか少し動いた。例のガシッ・ガシッ音は機械的な接触音のようだから、きっとこの部分が作動しきれていないのだろう、と想像した。が、動いたのはほんの少しだ。スムースに動ごかない==何かでロックされている == そのロックが正常に作動しない、とストーリーを立てるも、ロックを作動させるのは電気的にであろうから、電源を抜いた状態ではロック側に固定されている、とも想像する。それを少しではあるが無理矢理動かしたのである。さて凶か吉か ??

取外したフタを眺めると、当然の如く、全周シーリングされている。


内部にゴミなど不純物が入らない配慮である。故に分解といえども直す気であったらクリーンルームほどの環境でやるべきだろう。さらにフタを見ると、


ヘッドがシークする軌跡に合わせたような切り抜きが。。表面のシールをこの部分カットすればヘッドが見えるようになっている。これって点検用 ? 或は工場出荷時の検査用?? 知るべくもないが、こんな発見が想像を膨らませるので、分解はやめられない (笑)。。

分解したものを元に戻して、ダメ元でこれをPowerMac G4に搭載してみた。Macの電源を入れると、例の機械的なイレギュラーな音はしない !!
嬉々として画面が立上がるまで、ヒョッとして、、と期待感が高まる。。が、甘くはなかった。画面にはボリュームの姿形も現れていない。元々このボリュームは現れなかったのであるが、音もしなくなった、ということは完全にオシャカとなったワケ。合掌。。これで過去の思い出も一つ失った。
でもこれについていたジャンパーピン用のチップを流用して、他のHDDに使って『TERABOX』にそれを収納できるようになったのだから、死して名を残す、であろうか。このジャンバーピンのチップ、購入すると200円だかする。こんな小さなモノだけど良い値段だ。



にしても、このPowerMac G4の内部構造も、今見ると時代を感じる。これまでさんざんとAppleの製品造りの『拘り』を揶揄してきたが、それと比べるとブリキ細工である。どっちが良いかと言えば、やはり今の方がズ〜ッと良い。機械屋から見ての範囲だが、今の時代なりの造り方であるし、ひょっとしてこの時代のちょっと先を行った造りなのかもしれない。Appleは時代の先を行っている。考え方がソフトウエアもハードウエアもそうである、ってとこが好きなんです。
それと、今回知り得たことは、HDDがシリーズに結線されているHDDの、ひとつが動かないと他も動かない、ということ。だいたい増設HDD用にコネクターも増設されているケースが多いと思うが、その系統の一つのHDDがダメだと、同じケーブルを使っているHDDも認識しない、ということだ。さもありなん。。

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